不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

雨間にウグイスが鳴いていた。

 昨日の昼から降り続いていた雨が今朝方、
一時止んだ。
 すると、その雨間を待っていたかのよう
に、今日もウグイスが鳴き出した。
 鳴き方も、「ケキョケキョ」の部分が殆
どである。
 時折「ホーホケキョ」と鳴くのだが、
「ホー」の部分の音程が少し揺らいでいる。
安定した「ホー」ではないのだ。
 このウグイスは、まだ若く鳴き慣れてい
ないようだ。
 ウグイスは始めの頃は鳴くのが上手では
なく、徐々に鳴き方も上達していく、とい
う話は読んだり聞いたりしていて知っては
いたのだが、実際に不慣れな鳴き方のウグ
イスに遭遇すると、ちょっと可笑しくなる。
 野生の生き物は、生まれながらに殆どの
能力を完成した形で発揮していると思いが
ちではあるが、そうでもない生き物もいる
ということらしい。
 野生の生き物にしても、日々修練を重ね
ている、ということなのだろう。
 となると、精進という行為は人間だけの
ものではない、ということになる。
 これは少し意外なことである。
 野生の生き物は、ただ本能に従って流れ
のままに生きているだけだと思われがちだ
が、そこには練習し成長するという側面も
ある、ということである。
 ただ気楽に生きているだけではないよう
である。

 そのウグイスは一時間ほど鳴いていたの
だが、再び雨が降り出すと、それと同時に
ウグイスは泣き止んでしまった。
 久しぶりの雨なので歓迎もしたいところ
なのだが、ウグイスの声を追いやってしま
ったこの雨が少々恨めしく思えてきた。
 
 せっかくの春分の日が暗い雲に覆われて
しまっている。
 この冷たい雨も今日一日降り続けるそう
だ。