不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

さようなら、藤波辰爾

 人は有名人に弱い。
 有名人と知り合いになりたい、と願っている人もいる。
 これを、有名人病と言うのだそうだ。
 私も以前は、立派に有名人病の患者だった。有名人と
コンタクトが取れると、有頂天になったものだ。
 今では私も多少成長し、病も治癒されつつあると思っ
ている。
 有名人病は愚かな病である。
 有名人が、食事をして「おいしい」と言っただけで、
そこにギャラが発生する。
 誰が食べたって、おいしいものはおいしいに決まって
いるのに、有名人の「おいしい」には価値があるらしい。
何と馬鹿馬鹿しいことか。
 これくらいのグルメリポートは、かわいいものだが、
有名人の中には、自分が有名であるから特別なのだ、と
思い込んでいる人もいる。余程のことをしても、許され
ると思っている人もいる。
 有名人といっても、その中身は普通の人と同じで、実
に凡庸なものである。
 こんな私でも、有名人と会っても冷静な時もあり、彼
らの内面の浅さは何度も目撃している。
 
 私達は、勝手に有名人に自己投影し、期待をかけてし
まう。
 有名人に、自分の幻想を押し付けてしまうのである。
 芸能人やスポーツ選手といった娯楽の分野の人には、
特に幻想を押し付けられてしまう。だが、彼らはそうな
ることを承知の上で活動しているので、同情の余地は無
い。
 自分に幻想を押しつけらると言うことは、現実には押
し付けられた人に結果的に苦痛を与えるのであるが、幸
いにも有名人の方々は鈍感なのか、なかなかそのことに
気がつかないようである。

 私も、少し前までは藤波辰爾をひいきにしていたが、
今回のあまりの愚行には、ほとほと愛想が尽きた。
 もっとも藤波氏が私にファンになってくれ、と言って
きたわけではなく、私が思い込みを持っていただけなの
だ。

 有名人であると、その愚かさまで隠してしまう、とい
うことを今回の一連の藤波氏の言動を見ていて実感した。
 これは私にとっては、一時的には落胆をもたらしはし
たが、新たな成長のきっかけになったと思っている。