不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

ポール型とジョン型

 ポール・マッカートニー作曲のクラシック作品「心の
翼」]のライナーノーツに興味深いことが書いてあった。
 それによると、ポール・マッカートニーという人は、
プライベートを表に出して、それを素材にして作品を作
る、ということをしないのだそうだ。
 一方、ジョン・レノンは、これでもか!というまでに
自分の内面やプレイベートを題材にして曲を作っていた。
 このふたりは、実に正反対の創作姿勢を持っているの
である。
 創作に携わる者は、ポール型かジョン型のどちらかに
分かれると思う。
 両方を混在させた人もいるとは思うが、基本的に軸足
は、どちらかにあると思う。
 
 ポールは、プライベートを作品に映し出すようなこと
はしてこなかった。
「僕のことを書いても、つまらないだろう?」と彼は言
ってはいるが、これはポールの美学なのであろう。
 情感たっぷりに、切々と歌い上げる、という日本の演
歌的な世界から、最も遠いところに位置しているのであ
る。
 
 ジョン・レノンは、その反対である。
 私は、昔はジョン・レノンのファンだったが、最近で
は、少し距離を置いている。
 ジョンの表現が胃にもたれるのである。
 そんなこと何も歌にして売り出さなくても、という内
容のものが多いのだ。多いと言うより、ほとんどそうで
ある、と言っても良い。

 ポールは現実の世界からは一歩引いたところで表現し
ようとしている。
 今の私には、こちらの方がしっくりくる。
 これは、人それぞれの受け取り方で、どちらがよい、
というものではない。

 このブログは、私の周辺に起きたことを中心に書いて
いるので、ジョン型なのだろうか。
 
 このあたりの方向性の選択は、難しいものがある。
 
 ところで「心の翼」はクラシック作品として傑作であ
る。
 やはり、ポール・マッカートニーは常人ではない。