当地は風が強い。
一年中、大風が吹いている。
日本でも最も風が強い地域であろう。
私は自転車で各所へ用事を済ますために移動していた。
冬の気温で強風が吹いている。
体感温度はマイナス5℃となる。
幸いなことに晴天で、日差しは常に照っていた。
味方は日光だけである。
風は私を打ち付ける。
向かい風になると、自転車の走行を妨げる。
力を入れて漕がないと、一センチも進まない。
斜めに吹くと車体を傾かせる。
冬は、これが辛いんだよなぁ。
体温を奪われ、進行も妨げられる。
忍耐力を試されるひと時である。
逆に追い風になる時がある。
今度は、ペダルを踏まなくても自転車は走り出す。
スルスルと、前進する。
得をした気分である。
エネルギーの節約である。(笑)
幸せな気分になる。
物事は、力の方向によって異なってくる。
力の受け手の姿勢により、幸不幸が切り替わる。
ものの見方や態度は重要なのだということを再認識させられる。
常に追い風でなく、向かい風ばかりでもない。
時に耐え、時に楽しむ。
この世は、そうしたところなのだ。
上手に切り抜けていきたいものである。