漫才師・麒麟の田村裕さんは素晴らしい。
自著”ホームレス中学生”により入ってきた一億円の現金(印税二億円のうち一億円は税金として徴収)を前にしても、冷静さを失わなかった。
ある種突然にやって来た一億円である。
人が変わってしまう可能性は大いにある。
もっと少ない額でもおかしくなってしまうケースもある。
私はそういう人を身近に実際に知っている。
「えぇ~、そうなの?本当に?」と言われるかもしれないが、真実である。
その人自身も変わってしまったが、近くにいた人まで変わってしまった。
大金を手にしたその人を妬み始めたのである。
その妬み方は本格的だった。
「そこまで妬むか?」というほどの燃え上がり方だった。
それまでは他者を妬むような人には見えないおおらかなイメージの人が妬みの鬼となった。
これは意外だった。
あるいは私の見る目がなかった、未熟だったのかもしれない。
大金を得た当人は堕落していき、親しかった人からは強く妬まれる。
当人の人間性とその対人関係に修復不可能なダメージを負うことになった。
私は、この実話を身近に体験しているだけに、田村裕さんの立ち居振る舞いには大きな感銘を受けている。
田村さんの一連の行為は普通は出来ることではない。
どうしてそういうことができるのか?直接尋ねたい気持ちである。