不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

特定健診に行った。⑩

 トイレの前で紙コップを持って並んで待つ。
 普段ならまずしない行為である。
 それが抵抗なく出来るのも健診の項目だからである。
 「1センチくらいで良いですよ」
 係員がそう声をかけている。
  実は私は家を出る直前に排尿をしてしまっている。
 どうしても我慢できなかったのだ。
 健診では採血と共に採尿もある。
 これの準備もそれなりに気を使う。
 いつも通りの生活感覚ではいられない。
 ある程度溜めて会場入りをしなくてはならない。
 さて目安の1センチがクリアできるのか?
 まぁ大丈夫だろうという気するが、ダメかも?という気
も僅かだがある。
 私達の番が来た。
 他の二人の男性と共にトイレに入る。
 私は普通に採尿が出来た。 
 あぁ、良かった。
 めでたし、めでたしである。
 一人の男性がうなりながら便器の前に立っている。
 「ダメだぁ」
 そうつぶやくとトイレを出ていった。
 出なかったようだ。
 そりゃ、そういうこともあるだろうな。
 男性は係員から指示を受けている。
 私は紙コップを大事に持って次の健診に向かった。

 ~続く~