私は要件を切り出した。
この件については、早めに会長さんの耳に入れてお
きたかった。
気が付かなかったふりをして来期に持ち越し、来年度
の班長さんに任せることもありうることだった。
だが、それもどうかと思い直し、行動に移したのだった。
実は私はこの会合の前日に会長さんのお宅に伺って
いる。
だが、会長さんは不在だった。
話の内容はここでは割愛する。
記せば長くなるからである。
この件について会長さんは大筋を知っているようだった。
現在班長である私の口から伝えることにより、責任は町
内会執行部に移る。
後の次第は、執行部に任せることになる。
これで一安心である。
私は決められた自分の席についた。
席の前に班の番号が書かれたプレートが置かれている
のである。
会が始まるまで、待つ。
少しずつ参加者が集まってくる。
何人かが欠席の連絡があった。
出席が義務のこの会合に欠席であるからには、それなり
の理由が必要である。
中にはインフルエンザの人もいた。
開始数秒前に顔ぶれは揃った。
~続く~