ったが、雰囲気は特に変化はない。
発言のインパクトを受けて騒然とした、という様子では
なかった。
宴会特有の緩んだムードの中で皆がそれぞれ雑談を
している。
特に注意して聞いている人がどれほどいたかわから
ない。
だが、聴き逃してはならないエピソードであることは間
違いない。
会長さんがSHさんとINさんに迫る。
「教えて下さいよ」
「私は言えない」
お二人とも苦笑いである。
人はこうした際には、つい笑ってしまうのであろう。
嫌な記憶の際限である。
深刻な表情に傾くより、逆に笑ってしまいたくなるのか
もしれない。
会長さんの追求にINさんはこう言った。
「そのうちに(その人に)行き当たりますよ」
町内の人で、「新入りのくせに」と言った発言をしそうな
人は、そうはいない。
順に絞っていけば、わかるだろうということである。
まぁ、そうだろうな。
探し当てるのは時間の問題のようだ。
そこで私は推理をしてみた。
~続く~