班長が答えていく。
事前に個別に聴取しておいても良さそうなものなのだが、
こうして皆の前で発表するということに意義があるのだろう。
あるいは単に「昔からこうしているから」ということで受け
継がれているだけなのかもしれない。
班長は順番に名前を答えていく。
私の隣の班長の番になった。
この人は会合に毎回自分の小さな子供を連れてくる。
その子供は家で留守番ができないほどの年齢でもない。
この女性は押し出し強く言い切れば、なんでも通ると思っ
ているフシがある。
前回の会合の際にも、図々しい発言があった。
他者への配慮はなく、自分の都合最優先という姿勢であ
る。
「うちは来年はSGさんの順番なんですけど、『やりたくな
い』って言っているんです。」
「SGさんは、お母さんと一緒に住んでいたんですけど、お
母さんが娘さんのところに引っ越して、SGさんは一人暮ら
しなんです」
SGさんは、中年男性で、これまでは町内の業務は母親
が担っていたようだ。
頼りの母親はいなくなり、お鉢は自分に回って来る。
班長になれば、各戸に宅訪し集金その他をしなければな
らない。
これまでご近所に対し無愛想に生活してきていると、急に
そんなことはしたくない。
それで嫌だと言い出したのであろう。
あぁ、そんな勝手なことを言う人がいるんだなぁ。
いいおっさんなのに、考え方がお子様過ぎる。
中年困ったちゃんである。
~続く~