私は昨日の借りを返しに行こうとしていた。
理容店に行くのである。
他の用事のついでであるが、ついでとは言うものの実
際には重要である。
私は自分で髪は切れないからだ。
世の中にはとても器用な人がいて、自分で自分の髪
を切っている人がいる。
私のいとこもそうだった。
ずっと若い頃からたった一本のはさみで切っていた。
そうした技能を持たない私は、理容店のお世話になる
しかない。
店に着いた。
おぉ、今日は営業しているな。
駐車場にはベンツが停まっている。
前回はBMWだった。
この店の顧客は高級輸入車の愛好家が多いのか?
激安カットの店なのに意外である。
店に入る。
二人のお客が理容中で、待っている人はいない。
これは良い時にきたな。
いつも何分も待つことが多いからだ。
ほどなく私の番になった。
私の髪の毛は根性が無く、脱落者が多い。
それに反して参入者は少なく、過疎化が進んでいる。
まぁ私は自分の頭髪および髪型に関しては、すでに
諦めている。
だが、ほったらかしにもできない。
一応、切る時が来たら切らねばならない。
そして私の髪は切り揃えられ作業は終わった。
これで博士風の髪型からは遠くなったな。
私は店を出て次の用事先に向かった。