不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

TSさんと出くわす。

 今年は回覧板の届け先が我が家からほんの少し離れた
場所にあるSさん宅である。
 その帰り道、TSさんが犬の散歩で歩いているのが見え
た。
 TSさんの旦那さんが亡くなってから、まだ日は浅い。
 こういう時にはどういう態度で、どんな言葉をかければ良
いのか?
 今くらいが最もセンシティブな頃である。
 家族が亡くなって親戚などが大挙して訪ねてくる。
 その対応は大変なのだが、その大変さ、忙しさが寂しさ
を紛らわせてくれる。
 それも終わりいつもの日常が戻って来る。
 だが、家族が亡くなり喪失感はまだそこにある。
 気持ちは落ち込みつつも繊細さは増している。
 そんな時にいつものようにテキトーな態度、いい加減な言
葉を使ったらどうなるか?
 後々まで恨まれること間違いなしである。
 やった方、言った方は忘れていても、やられた方、言われ
た方は忘れない。
 あぁ、顔を合わせたくないなぁ。
 私は少しうつむいて歩いた。
 だが、見つかってしまった。
 TSさんは話し始めた。
 勢いのある反論を受け付けないような断定口調で、まくし
立てる。
 あれ?
 いつもと同じだな。
 私は説明を要すること以外は相槌に徹した。
 TSさんは、いつも通りのように見える。
 そう見せないようにしているのか。
 あるいは、これが地なので隠しようがないのだろうか?
 そこへSさんがやって来た。
 良かった、これで解放される。
 私はTSさんの話し相手をSさんに任せて家に戻った。
 何とかうまく対処できたであろうか?
 その後Sさんと会ったが、特に何も言われなかったところ
をみると粗相は無かったようだ。
 気を遣うなぁ。