僧侶は、参列者一同が合掌する中を真ん中の通路を歩
いて退場していった。
司会者により閉会が「アナウンスされた。
「お別れのご対面を希望する方はどうぞ」と言っている。
だが、誰も見に行く人はいないようだった。
会場は、長男の会社関係の参列者により満員だった。
立っての参列もかなりあったようだ。
ここまで人があふれることは、珍しい。
大挙して参列し、一斉に帰っていく。
ここから班の人の役目が始まる。
当地のとその周辺の地域では、通夜に参列した人に参列
御礼として簡単な手土産を渡す習慣がある。
この品の手渡し作業を班の人が受け持つのだ。
この手土産は参列すれば誰でももらえる。
品物の内容は、各地によって微妙に異なる。
当市では200円くらいのお菓子と、缶入りのお茶、という
のが多いようだ。
地域によっては、缶のお茶は無くお菓子だけの場所もあ
る。
お菓子は大手メーカーのクッキー、ビスケットか袋入りの
揚げ菓子が多い。
ある程度の日数の保存がきき、急な調達が容易な品とい
うことでこれらの品になったようだ。
渡されるのは通夜だけで、告別式には無い。
この人の通夜では大人数の参列者があったのだが、予
期できていたらしく不足することは無かった。
~続く~