NHK-FM「あなたの知らない作曲家の素顔」最終日
4日目は、ロシアの作曲家・セルゲイ・プロコフィエフだった。
のやりとりで進行していく。(以下敬称略)
毎回番組冒頭において、西村はその日に取り上げる作
曲家の肖像画・写真を見た感想を羽田に尋ねる。
羽田の回答は、いつもユーモラスではあるが、的を射た
ものである。
プロコフィエフの外見からの印象は、人としての温かみに
欠けるものだった。
良く言えば知的、だが、冷たい感じは隠せない。
私もプロコフィエフに対しては、良くない。
最初に見た時から、ぞっとする冷たさを感じた。
番組では、プロコフィエフの人柄を示すエピソードがたくさ
ん紹介された。
どれも、冷酷な内容ばかりだった。
ホッとする感じ、温かみを感じさせるものは一つもなかった。
これは、番組として冷たいエピソードばかりを集めたわけ
ではあるまい。
一般にこうした番組では、一つくらいそれとは真逆のほの
ぼのエピソードを入れて、バランスを取ろうとすることが多い。
対比して落差を際立たせるという効果もある。
だが、プロコフィエフの場合、冷たい内容ばかりになってし
まった。
おそらくプロコフィエフには、本当にそんな話しか残ってい
ないのだろう。
音楽は素晴らしいのに、人柄は冷酷で嫌な奴なのである。
番組としては、嫌な奴エピソードと美しい音楽とが絶妙な対
比となり、興味深いものとなった。