NHK-FM「今日は一日”世界のオーケストラ”三昧」が、
優れた番組になったのには、もう一つの要因がある。
それは司会の一人に音楽評論家の満津岡信育氏を
起用したことがある。(以下敬称略)
ちょっと読みにくい名前である。
これで「まつおか のぶやす」と読む。
読み方を教われば、読めないことはないが、知らなけ
れば「みつおか のぶ?」となってしまいそうである。
日本語は難しい。
特に人名は、不可解ですらある。
さて満津岡信育は、コメントが実に上手である。
その時々に伝えるべき内容を手短にまとめて言葉にし
て発することができる能力を持っている。
これは、極めて稀な才能である。
簡単にできそうに思うかもしれないが、極めて難易度が
高いことである。
クラシックについての潤沢な知識を持っていることは最
低条件であり、それらをリスナーにわかりやすく、聞き取り
やすく整理して言葉にする。
紙媒体などであれば、少し考えてから記すことも可能だ
が、ラジオなどの放送では瞬時に対応が求められる。
即時対応である。
しかも、気取りや知ったかぶりがあってはならない。
聞いているのは、音楽ファンが多く、間違ったことを発す
れば、すぐに指摘されてしまう。
実際、NHKで番組を持っているタレント、音楽評論家でも
間違ったことを平気で言っていたりする。
今回の「世界のオーケストラ三昧」においては、満津岡
信育に発言には誤謬は無かったように思う。
見事な司会進行だった。