ゴンチチのラジオが終わって私は外出の準備を始
めた。
空模様はどうだろう?
私は自転車に乗って家を出た。
空は一面の白に近い灰色の雲である。
今朝の明け方まで、弱い雨が降っていた。
天気予報では今日は「昼間は曇り、夜には降り始
める」となっている。
「曇り」ということは「降らない」ということだな。
私は自転車を走らせる。
風は無い。
当地としては珍しい無風である。
目的地まであと200メートルほどの所まできた。
その時、額にポツンと冷たいものが当たった。
これは、もしや雨か?
否、そんなことはないだろう。
何かの気のせいだ。
何しろ今日は曇りの予報である。
私はそう言い聞かせて走る。
用事先に着いた。
さっさと用事を済ませて出る。
また一滴今度は手に当たった。
やはり雨か。
次の用事先に向かう。
ここでも最大限に早く用事を済ませる。
急いで外に出る。
あぁ~、もう小雨になっている。
ここからの雨足がどうなるか。
すぐに強くなるのか、それともこのまま小雨のまま
か。
いずれにせよ雨は雨である。
私は自転車で走り出す。
全速力である。
なんだ。
天気予報では「曇り、降らない」ではなかったのか。
また、外れたのか。
それとも、これが梅雨空というものか。
途中、信号機で何度も止まる。
早く青になれ。
止まっている間にも濡れてしまう。
青になって、また走り始める。
雨足は小雨のままだ。
最近に無い飛ばしようである。
そして家に着いた。
はぁ~、雨はかなわいなぁ。
私は雨に濡れると体が溶けるのだ。
もう少し濡れていたら大変な事態になるところだった。