フランスのミシュランガイド選定三つ星レストランの
オーナー・シェフ・エマニュエル・ルノー氏が来日して
いた。
ターの招待で来日した。
ルノー氏は名古屋で賞味会、東京で料理講習会が
開催されたそうだ。
招かれ精進料理を味わった様子が報じられた。
この日の献立は「昆布の天ぷら、ごま豆腐、がんも
どきや生湯葉、干しシイタケの煮物、大根やニンジン、
薄揚げの酢の物などだった。
これらが漆器と塗りのお膳で提供された。
永平寺の料理ということは精進料理である。
その中でも極め付きと言って良いだろう。
ルノー氏は「野菜だけでここまで多様な味を表現でき
るとは。私も肉や魚の料理をやめてしまいたいくらい、
インパクトがあった」「昆布だけなのに、しっかりとした
動物性のだしの味がする」と驚いていた。
う~ん、その気持ちはわかるなぁ。
私も永平寺の精進料理を食べたことがある。
あれは本当においしかった。
それまでに食べたことが無かった味であり、それ以降
も出会わない味だった。
質の高さは、ぼんやりと食べていても、はっきりわかる
ほどだった。
食べ進むほどに目が覚めていくような味だった。
別の世界の食べ物のようだった。
永平寺では、修行僧らに供される料理を作ることも重
要な修行とされている。
調理も修行なのだ。
ルノー氏は、フランスに帰っても(あのお寺の料理はお
いしかったなぁ)と思い返しているに違いない。