本当は座ってじっくり聴いていたいのだが、そこ
は放送時間が朝なのでそうもいかない。
いろいろと用事を済ませながらのながら聞きとなる。
今週の特集は”17世紀のイタリア音楽”で、この
日は作曲家ジャコモ・カリッシミが取り上げられていた。
カリッシミ、まるで知らないな。
仮っ染み?
私には初めて聞く名前だった。
番組では独唱曲と合唱曲が紹介された。
ほぉ、なかなか良いな。
押しつけがましくなく品がある。
特に番組最後に取り上げられた”オラトリオ・イェフ
タ”は素晴らしかった。
旧約聖書に題材をとった宗教曲で、その内容はシリ
アスなものである。
敵軍と闘うために出陣するイスラエルの指導者イェ
フタは神にこう誓った。
「この戦いに勝つことができましたら、凱旋時に私を最
初に出迎えた者を生贄に捧げます」
見事戦いに勝利を収め、凱旋するイェフタであったが、
彼を最初に出迎えたのは彼の一人娘であった。
苦悩する父と嘆く娘の心情が独唱と合唱によって綴
られていく。
伴奏は実に簡素なもので、それがかえって曲に緊迫
感を与えている。
う~ん、こんな凄い作曲家いたのか。
知らなかった。
カリッシミは教育者としても活躍しており、シャルパン
ティエやアレッサンドロ・スラッッルラッティが彼の教え
子だそうだ。
そうそうたる弟子たちである。
バロック音楽で、また新しい作曲家を知ることができた。
この分野は実に奥が深い。
この曲の終わり方がなんとも素晴らしい。
簡潔ではあるが実に説得力のある締めくくりである。