”刑事コロンボ”の再開は、クリアすべきハードル
もあまりないという、他の作品では殆どないような
好条件の元スムーズに始まった。
レギュラー登場人物は主人公ただ一人で、コロ
ンボ警部役のピーター・フォークさえ押えておけば
キャスティングはほぼ完了したも同然である。
では、野外セットや大道具などは必要ないのか。
署は、作品中に殆ど登場しない。
たまに出てきたとしても、ごく普通のオフィス風の
セットを用意すれば済む。
凝った仕掛けは何も要らない。
デスクがあり、人が沢山いればそれらしく見える。
では、小道具はどうだろうか。
コロンボ警部といえば、あの極めて個性的な出
で立ちである。
あれがなければ、コロンボ警部といは言えない。
それらを構成する衣装は、元々フォークの私物で
ある。
テレビ局やユニバーサルスタジオのものではない
のだ。
従って、レインコートや茶色のスーツはフォークの
自宅のクローゼットで保管されていた。
だが、コロンボ警部を決定づけるある物がもうひと
つある。
実は、それが簡単には用意できなかったのだ。
~続く