不二家憩希のブログ

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フォーク版”刑事コロンボ”の誕生 その②

 葉巻を吸っていた私には、どうしても避けられ
ない問題があった。
「若造が葉巻なんぞ吸って生意気だ」
「葉巻は臭い」
といった声や視線といったことではない。
 それは、葉巻は値段が高いということである。
 それはさぞ高価な葉巻を吸っていたのだろう、
と思われるかもしれない。
 そんなことは決してない。
 私が吸っていたのは、最も安いランクのもの
である。
 それでも、5本で500円はした。
 1本100円である。
 当時は国産タバコのマイルドセブンやキャビン
など20本入りのタバコが一箱200円くらいだった
時である。
 葉巻は太いだけあって紙巻きタバコよりも煙も
多く、「吸ったなぁ~」という充足感は残る。
 葉巻を1本吸えば、紙巻きタバコ3~4本分に
相当する感覚だと思う。
 そのため喫煙のインターバルの時間は長くなる。
 それでも、「一本吸ったから今日は吸わなくて
も大丈夫」というわけにはいかない。
 時間が経過すれば紙巻きタバコと同様、また
吸いたくなる。
 そうは言っても、1本100円である。
 ホイホイ吸っていたら、結構な金額になっていく。
 これは、葉巻は吸い続けられないな。
 私には紙巻きタバコで十分だ。
 葉巻がどんなものかも、大体わかった。
 私の葉巻生活は、ごく短期間で終焉を迎えた
のであった。
 
 ~続く~