不二家憩希のブログ

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ピーター・フォーク 刑事コロンボへの日々 その49

 ”殺人処方箋”を元にした連続ドラマは見送ら
ることになった。
 当連載は、”ピーター・フォークが「刑事コロンボ」
の主役を演じ大成功を収めるまでの過程”を
記すことにしている。
 従って、当連載はもう少し続くことになる。
 1968年3月3日、ピーター・フォークは"A Hatful
 of Rain 夜を逃れて”に出演した。
 このドラマは、”ゴッド・ファーザーPART Ⅱ”な
どにも出演した俳優で戯曲作家のマイケル・ヴ
ィンセント・ガッツォーの戯曲が元になっている。
 57年にはエヴァ・マリー・セイント主演で劇場映
画化されている。
 内容は、かなりシリアスなものとなっている。
 ジョニーは朝鮮戦争で負傷しその時処方された
痛み止めの麻薬により、麻薬中毒になってしまう。
 除隊後、妻シリアの元に帰るが、ジョニーは自
分が麻薬中毒になってしまったことは告げられな
いままでいる。
 麻薬の禁断症状がジョニーを襲う。
 ジョニーは、密売麻薬に手を出してしまうが、シリ
アが妊娠したことを知り何とか自力で立ち直ろうと
苦闘する。
 だがジョニーの兄ポロは、そうした事情を全て知っ
ていた。
 苦闘する弟をどうすることも出来ないでいるポロも
また苦悩する。
 テレビ映画化されたこの作品では、兄のポロを主
人公とし、ポロの視線で物語がつづられていく。
 フォークは、主人公である兄のポロの役だった。
 フォークとしては、数少ないシリアスな作品である。
 フォーク自身は、こうした社会派の人間ドラマを描
いた作品が個人的には大好きで、出来たらそうした
作品に多く出たいという希望を持っていた。
 フォークは、実はシリアスな俳優志向だったのである。
 
 ~続く~