不二家憩希のブログ

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ピーター・フォーク 刑事コロンボへの日々 その38

 1968年放送の”殺人処方箋”は、それまでの
ミステリー&サスペンス・ドラマとは、異なる点
がいくつかある。
 そのうちのひとつに、主人公は警察関係者や
探偵といった正義の側の人間ではなく、殺人な
どの罪を犯した犯人である、という点がある。
 犯罪者を主人公に据えた作品は、ギャング映
画などでは一般的ではある。
 それらの作品では主人公は最初から犯罪者
である。
 だが、”殺人処方箋”では、それまでは普通の
一市民だった人間が自らの意思で殺人という重
大犯罪にに手を染め、転落していく様を描いてい
る。
 こうした作品はあまり多くはない。
 特にテレビドラマでは、珍しい。
 画面として綺麗ではないし、リアルに描けば描
くほどストーリーとして重苦しくなってしまうからで
ある。
 ”殺人処方箋”は、主人公は犯人であるフレミン
グ医師である。
 コロンボ警部が主人公ではないのである。
 この作品はコロンボ警部が初登場した作品であ
って、”刑事コロンボ”の第一作ではないのである。
「えぇ~、何それ?それって、屁理屈じゃないの?」
と言われる方もおられるかもしれない。
 しかし、この”殺人処方箋”が”刑事コロンボ”の
第一作ではない、という理由がもう一つある。
 
 ~続く~