不二家憩希のブログ

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ピーター・フォーク 刑事コロンボへの日々 その37

 68年放送の”殺人処方箋”は、60年放送・バート・
フリード主演の"Enough Rope"が元になっている。
 それを原作者コンビのウィリアム・リンク&リチャー
ド・レビンソンが舞台演劇用に書き改めたのが、”殺
人処方箋”なのである。
 テレビドラマの”殺人処方箋”は、舞台版の脚本を
さらに細部をテレビ用に書き換えている。
 舞台版では、事件はニューヨークで起こっており、
コロンボ警部もニューヨーク警察の刑事なのである。
 ニューヨーク市警のコロンボ警部とは、イメージが
大分違ってくる。
 ニューヨークもロスアンゼルスも都会であることは
変わりないが、やはり受ける印象は大きく異なって
くる。
 だが、テレビ版では現場はロスアンゼルスであり、
コロンボ警部もお馴染みのロス市警の所属である。
 これは、ニューヨークにしてしまうと、撮影の手間と
経費がより多くかかるためといわれている。
 映画の都ハリウッドを間近にあるロスアンゼルス
大都市ニューヨークでは、屋外ロケにおける交通規
制への対応にしても、違ってくるのであろう。
 さて、テレビ版の元になった舞台版の”殺人処方
箋”は、どのようなものだったのだろうか。
 元々この作品は登場人物が少ない。
 犯人である医師とそれに共謀する愛人女性、殺さ
れる妻、それを解明するコロンボ警部、これら4名で
ストーリーが成立するように出来ている。
 物語が展開する場も、医師の自宅で殺害が行わ
れ、その現場で事件の究明が進んでいく。
 登場人物が極めて少なく、場面転換も殆ど必要と
しない。
 殺害現場である医師邸宅のリビングルームだけを
用意すれば、興行が出来るのである。
 これは、極めて舞台向きといえる。
 舞台では、コロンボ役のトーマス・ミッチェルの他に、
犯人のフレミング医師にジョセフ・コットン、愛人役に
パトリシア・メディナ、そして殺される妻をアグネス・
ムーアヘッドが演じている。
 アグネス・ムーアヘッドと言えば大ヒット・テレビ・コ
メディ”奥様は魔女”のサマンサの母親のエンドラ役
の女優である。
 ”奥様は魔女”の劇中「私もサマンサくらい若かった
頃には綺麗だったんだから・・・」というようなセリフが
あった。
 私はそれを聞いて(本当かなぁ?)と思っていた。
 一種のジョークだとすら思っていた。
 ”奥様は魔女”の解説本にも”ムーアヘッドは過去ブ
ロードウェイやハリウッドで活躍してきた美人女優で・・・”
といった記述を読んだ時も、(表現が誇張しすぎてい
ないか?)と思ったものである。
 だが、今回いろいろ調べてみると、それらのセリフや
既述は決して嘘でも誇張でもないことがわかった。
 以前は、古い時代の女優に関しては調べたくとも資
料に乏しく、不明な点が多かった。
 だが、今日ではインターネットで、多くの写真、映像
で確認することが出来る。
 ムーアヘッドは本当に美人女優だった。
 ただ、”奥様は魔女”の頃は、既に60代後半でしか
も意地悪魔女風のメイクをされていたので、その美貌
が認識できなかったのである。
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 トーマス・ミッチェル演じるコロンボ警部。
 
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レミング医師とクレア・フレミング夫人
 
 
 
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 舞台のポスターと脚本。
 
 
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 ”奥様は魔女”のエンドラ。
 
 
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 若い頃のムーアヘッド。
 
 ~続く~