大成功をおさめるまでの過程を主眼として記している。
”刑事コロンボ”やそれ以降の作品については、触
れることはあまりない。
それらは世界中の無数のファンが研究しておられ
るので、皆さんにおまかせしようと考えているからで
ある。
ターを事実上創造したピーター・フォークという人間
がどのような過程を経て出来上がったのか?という
点に非常に興味があるからでもある。
フォークは、すくすくと育ちすんなりと俳優になった
わけではないことは、当連載の初めの方に記した。
フォークの体は、そのイメージからは意外なほど
がっちりとした筋肉質である。
10代や20代の上半身裸の写真を見ると、ちょっと
別人のようにすら見える。
猫背で歩き回るコロンボ警部とは、大違いなのだ。
胸板も厚く、全身が見事にビルドアップされている。
「スポーツも好きでよくやったんだよ」というフォーク
の回想も頷ける。
これで、もう少し身長があったらフォークはもっと早
く正統派俳優として脚光を浴びていたかもしれない。
フォークはご存じの通り、米国人としてはとても小
柄なのだ。
フォークの身長は公称168㎝となっている。
だが、実際にはもっと小さいものと見られる。
映画やドラマで女優と並ぶシーンでは、ほぼ同じ
背丈であることが多い。
加えて”刑事コロンボ”の多くの犯人役の俳優より
も20㎝ほど低い。
それらを相対的に判断すると、フォークの実際の
身長は165㎝前後ではないかと推測している。
俳優やミュージシャンやプロレスラーらの身長のさ
ば読みは、まぁお約束である。
フォークがもし、もっと背が高かったらどうなってい
ただろうか。
フォークは小柄でありながら、迫力のある演技をす
ることでかえって強烈なインパクトを与えてきた。
それが在り来りの背丈の俳優だったら案外普通の
俳優で終わっていたかもしれない。
~続く~