不二家憩希のブログ

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ピーター・フォーク氏ご逝去に寄せて その⑧

 コロンボ役の有力候補となりはしたが、結局は
演ずることのなかった二人の俳優、ビング・クロ
スビーとリー・J・コッブも高い演技力を持った俳
優であった。
 クロスビーは、歌手として頂点を究め、俳優とし
ても大成功を収めた米国エンターテインメント史
上初のマルチ・エンターテイナーの一人である。
 1944年の”我が道を往く”でアカデミー主演男
優賞を受賞し、1945年の”聖メリーの鐘”、1954
年の”喝采”で同賞にノミネートされている。
 1960年にはゴールデングローブ賞のセシル・B・
デミル賞を受賞している。
 その他にも幾つもの映画賞を受賞し、候補にな
っている。
 華やかな役から寂しい役まで、幅広い演技力を
持っていた。
 一方、リー・J・コッブは受賞こそ逸しているが、い
くつもの賞にノミネートされている。
 1954年の”カラマーゾフの兄弟”1955年の”波止
場”でアカデミー助演男優賞にノミネート、1958年の
スタジオ・ワン”1960年の”プレイハウス90”1967
年の”セールスマンの死”で得ミー賞にノミネートされ
ている。
 1958年の”12人の怒れる男”1964年の”カム・ブロ
ー・ユアホーン”でゴールデングローブ賞にノミネート
されている。
「なんだ、ノミネートつまり候補になっただけではない
か」と思われる方もおられるかもしれない。
 だが、これらの権威ある賞はノミネートされるだけで
も大変な栄誉とされている。
 リー・J・コッブは、映画やテレビだけではなく舞台で
も名演を残している。
 1968年にコッブが演じたブロードウェイ作品”リア王
は、ブロードウェイ史上最長公演記録を持っている。
 コッブが主演した舞台”セールスマンの死”は、彼の
代表作である。
 この作品は日本の演劇界にも大きな影響を与えてい
る。
 そもそもこの作品は作者のアーサー・ミラーが、主人
公ウィリー・ローマン役にリー・J・コッブを想定して書か
れているのである。
 この作品は後に何度も映画などでもリメイクされており、
そのたびに大評判を取っている。
 ちなみにアーサー・ミラーは、コッブが演じたウィリー・
ノーマンが最も気に入っている、と語っている。
 コッブもクロスビーと同様、実績豊富な安定した演技力
のある俳優だった。
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 コッブがコロンボを演じていたら、こんな感じになったものと思われる。
 ちょっとかっこ良過ぎる様な気がする。
 
 ~続く~