不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

Nさんと長い生き物。その②

 Nさんが庭のミミズに絶叫した日から大分経っ
た頃のことである。
 私は、その日の午前中パソコンをいじっていた。
 Nさん宅の庭の方から話し声が聞こえてくる。
 庭で庭いじりをしながら、どなたかと話をしてい
る。
 決して聞き耳を立てているわけではないのだが、
聞こえてくるのだから仕方がない。
 話の相手は、Nさん宅の出入りの業者さんのよ
うだ。
 天候など季節の話題が中心のようだ。
 雑草が生えて困る、といったことを話している。
 そんな中でNさんがこう言った。
「ほら、こんなのがいるよ。ヘビ」
 返事をする業者さんの口調が明らかにこわばっ
ている。
 Nさんは、ヘビを棒のようなもので突ついている
らしい。
 えぇ~!ヘビ!
 ヘビがいるのか!
 と言うより、Nさんはヘビが怖くないのか?
 業者さんは明らかにその場から出て行きたい
様子だった。
 だが、立場上それは出来ない。
 社会人としてはジッと我慢するのがマナーであ
ろう。
 Nさんは、その後ヘビをどこかに持っていったよ
うだった。
 Nさんはミミズが怖いのに、ヘビには平気なの
か?
 普通は逆でではないのか?
 少なくとも私はそうだ。
 日常生活の中でヘビを見かけることは滅多にな
い。
 だが、何年かに一度、道などで遭遇すると、驚
いてしまう。
 自身の冷静さを失わないようにするだけで必死
なのである。
 私はとにかくヘビが怖いのだ。
 ヘビに咬まれたことがあるわけでもないのに、
何故か怖い。
 これは先天的なものなのかもしれない。
 う~ん、世の中にはいろいろな人がおられるよう
だ。
 ミミズに絶叫してもヘビには何ともないNさんの
様な人もおられる。
 ひょっとして、Nさんはマングースの生まれ変わ
りか?
 世の中には私の積み重ねてきた常識では測れ
ないような人が沢山おられる。
 Nさんも、そんな中のお一人のようだ。