家を出ようとし自転車で家を出る時、庭と
道の境目に何か丸い物が落ちている。
直径１５センチ程だろうか。
見ると、それはとぐろを巻いた蛇だった。
おぉ～、蛇ぃ～！
我が家の周辺で蛇を見るなんて何年ぶり
だろう。
前回の御出現は２０年位前のことではな
かったか。
当地では蛇は滅多に見られないのだ。
どうしようかな。
私は急いでいたので、そのままにして家
を後にした。
用事が済んで家に戻った。
蛇はどうしているだろう？
蛇はとぐろを巻いたまま我が家の前にいる。
私は、そっとその横を通り家に入った。
そう言えば、あの時蛇を見た時、何故か怖
くはなかった。
私は基本的に蛇は怖い。
いつもだったら見ただけで走って逃げてしま
う。
だが、今回は何ともなかった。
この暑さで少々鈍くなっているのか？
そして、この日の夕方、もう一度蛇を見に行
った。
蛇はまだとぐろを巻いていた。
私はひょっとして？と思い、長い棒で遠くか
ら蛇をつついてみた。
動かない。
そうか、もう死んでいるのか。
しかし、このままにしておくわけにもいくまい。
私は日本の棒で蛇を挟もうととした。
さすがに素手では掴めない。
死んでいるとはいえ、触るのには抵抗がある
のだ。
私は何度か失敗した後、ようやく蛇を棒でつ
まむことに成功した。
そして、それを庭の隅のアロエの茂みに落と
した。
そこはアロエだらけで地面が見えないのだ。
これで、とりあえず見えなくなった。
穴を掘って埋めてやれば、と思われるかもしれ
ない。
だが、それは気味が悪くて出来ないのだ。
何だか蛇には悪い気もしたが、どうしても気味
が悪いのだから仕方が無い。
そうか、我が家の周辺にもまだ蛇が住んでいた
のか。
ひょっとすると、まだ他の蛇もいるかもしれないな。
私は気味が悪いと同時にちょっと嬉しくなった。
まだまだこのあたりの自然も捨てたものではない。
