無料動画サイトGyaO!で映画”バード”を観た。
この作品は天才ジャズミュージシャン・チャ
ーリー・パーカーの伝記映画である。
監督は今や巨匠のクリンント・イーストウッド
である。
イーストウッドは監督だけではなく製作も担
当している。
撮られたのは1988年で、その頃はイースト
ウッドの活動はまだ俳優が中心で監督として
は際立った成功は収めていなかった。
この作品はジャズファンの間では話題になっ
たのだが、一般的にはそれほど取り上げられる
ことは無かった。
どうもその理由はその内容がジャズファン以
外にはアピールするものが殆ど無い、ということ
だと思われる。
作品内容としては、伝記映画としてエピソード
に忠実な作りとなってはいるが、そのためかつ
まらないものになってしまっているとも言える。
チャーリー・パーカーという人はミュージシャン
としては不世出の天才ではあるが、人としては
どうしようもない駄目人間だった。
駄目人間の暮らしを描いてみても面白くなると
は思えない。
ステージで観客を熱狂させる華麗な一面と自
堕落なもう一つの面を対比させてはいるが、観
ていくうちに観客席のこちらの気分が暗くなって
しまう。
イーストウッド監督としては、きめの細かいリア
リティを追求した作品に仕上がってはいるが、そ
れが逆に作品の魅力を半減させてしまっている
と思う。