町内会費集めと県護国神社の寄付金集めの
他には、これといって引き継いでおいた方が良
い情報は無いように思われた。
強いてあげるとすれば、Aクリニックの奥さん
が班長に会おうとしないことであろうか。
町内のことに関しては、クリニックの看護士や
事務員に任せきりなのだ。
顔も出さないのだ。
これは少々失礼なのでは?という話になった。
Kさんによれば、「お高く留まっている」というこ
とらしい。
私に言わせればお高く留まっている、というよ
りも頭が悪いだけなのだと思う。
常識が無いのに誰も注意する人がいないのだ
から、気の毒とも言える。
町内には他にも医者は何人もいる。
Kさんはその中のH医院の先生の話を始めた。
H先生は、町内会活動にも熱心に取り組んでお
られる。
お祭りの行列にも自分から参加される。
この行列は拘束時間が長く、いろいろと制約事
項も多いのだが、嫌がらずに皆に混じって盛り上
げようとしておられるそうだ。
「いやぁ、あの先生は偉いと思うなぁ」
Kさんは遠くを見るような目でそう言った。
自分は一般住民とは住む世界が違う、という態
度丸出しのAクリニックとは大違いである。
Aクリニックのジャングル・ドクターは、自分のクリ
ニックに来院する患者が年々減ってきていることの
理由に気が付いていないようだ。
~続く~