不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

班長の引継ぎを行った。その⑤

 班内の情報についてお話した後は、班の
資産の管理についての引継ぎを行った。
 資産と言っても預金が僅かばかりあるだけ
である。
 このお金は主に班内の世帯の葬儀に使わ
れるためのもので、足りなくなった場合にその
都度集金し、残った金額を班名義の預金口
座に入れている。
 以前は班で年一回の親睦会のために積み
立てを行っていて、この預金口座はそれをプ
ールするためにも使われていた。
 だが、それも今では行われてはいない。
 班の親睦会が中止になったいきさつについ
ては、いくつかエピソードがあり長くなりそうな
ので、またいずれかの機会 にでも記せれば、
と思っている。
 私が担当した今年度は、幸いにも班内では
どなたもなくなられることも無く葬儀は行われ
なかった。
 そのため、この預金口座はお金の出し入れ
が無かった。
 Kさんは通帳を見て「それじゃ、少しばかりだ
と思うけれど、利息が付いていると思うので、
後で記帳だけしておいて」と言った。
 あぁ、私はそこまで気が付かなかった。
 お金が動いていないので、そのままで良いか
と思っていたのだ。
 そしてKさんは、今年度の締めとして班の会
計ノートに収支を書いておくように教えてくれた。
「ここに金額を書いて署名と印鑑を押して」
 会計ノートを見ると、なるほど毎年そのように
記載されている。
 大した金額ではなくとも、年度の収支はきっち
りしておかなければならないわけだ。
 やはり、最後はお金の管理が重要だ、という
ことである。
 それでは、いますぐ銀行へ行って記帳してきま
す。
 私はそう言って立ち上がろうとした。
「いや、まぁお茶でも飲んでからでいいよ」
 Kさんは私を制してそう言った。
 
~続く~