班長慰労会に出席した。その④

　今回の班長慰労会は「○☆」で行われる。
　「○☆」は当町にあるすしと海鮮料理の店
である。
　商店街のウナギの寝床のような店舗で、気
が付かずに通り過ぎてしまうような店である。
　どう見ても入り易そうな店構えではない。
　しかも対外的な宣伝、広告は一切打ってい
ない。
　店の看板も地味なものだ。
　それでよくやっていけるな、と思われるか
もしれない。
　私も子供の頃はそう思っていた。
　この「○☆」は子供心に謎の店だった。
　だが、お客は当然いる。
　この店に来るお客は、ほぼ１００％町内の
人ばかりなのだ。
　当町で宴会や大事な会議がある時は、この
「○☆」を利用するのが慣例となっている。
　あくまで慣例なので強制力は無い。
　だが、殆どの場合この店を使うことが多い
ようだ。
　不特定多数の来客を想定せず、町内の人だ
けを相手にしているのだ。
　特別多くもない町の人だけの需要だけで経
営していけるのだから、大したものだと思う。
　その「○☆」で慰労会が行われる。
　私が「○☆」に行くのは初めてである。
　子供の頃からの謎がいよいよ明らかにされ
るのだ。
　楽しみである。

　～続く～