「ヒューマン・ネイチャー」と二人のスティーブ。

　アルバム「スリラー」には多くの白人ミュ
ージシャンが参加している。
　黒人ミュージシャンのアルバムにこれほど
多くの白人ミュージシャンが参加することは、
かなり異例なことだった。
　今でもあまり無いと思う。
　これは、マイケル・ジャクソン氏とクィン
シー・ジョーンズ氏が意図して行ったもので
ある。　
　白人的なポップさを打ち出さないと世界的
なセールスは望めない、と彼らが考えたから
である。
　その思惑は見事に当たり、アルバム「スリ
ラー」は世界最大のセールスを記録した。

　参加白人ミュージシャンの中核をなしてい
たのはＴＯＴＯのメンバーである。
　デビッド・ペイチ氏、ジェフ・ポーカロ氏、
スティーブ・ルカサー氏、スティーブ・ポー
カロ氏の４人でＴＯＴＯの主要メンバー総参
加である。
　ちなみに、スティーブ・ポーカロ氏とステ
ィーブ・ルカサー氏は同じ高校で同じクラス
だったそうだ。
　スティーブ・ポーカロ氏は曲も提供してい
て、それが「ヒューマン・ネイチャー」であ
る。
　そしてそのサウンドは正しくＴОＴОであ
る。
　このギターはルカサー氏に違いない。

　このビデオの中で、マイケル氏が表紙にな
っている雑誌がいくつも紹介されている。
　普段は政治、経済や社会問題を扱っている
いわゆる硬い雑誌もマイケル氏を表紙にして
いる。
　当時のマイケル氏の勢いが見て取れると思
う。