不二家憩希のブログ

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「スリラー」発売、直前と直後・日本では。

 マイケル・ジャクソン氏のアルバム「スリ
ラー」が日本発売された時、日本のポップス・
ファンはどのような反応を示したか。
 前作「オフ・ザ・ウォール」の出来が良か
っただけに少しは話題にはなっていたが、特
別な反応は何もなかった。
 空前の予約数を記録した、と言うようなこ
ともなかった。
「えぇ~、そんなものなの?」と言われそう
だが、そんなものだったのだから仕方ない。
 ごく一部の熱心な黒人音楽ファンのなかに
は、マイケル氏の新作を大注目していた人も
いただろうが、その熱はポップスファン全体
に広がってはいかなかった。
 そんな発売前の数少ない「スリラー」の話
題のひとつが、マイケル氏がポール・マッカ
ートニー氏とデュエットした曲が収録されて
いる、ということであった。
 ポール氏が他のミュージシャンのアルバム
に参加して歌うということは珍しい。
 それで特に注目を集めたのだ。

 この曲は「スリラー」からの第1弾シング
ルとして発表された。
 この曲を第1弾シングルにすると言うこと
は、当時の製作スタッフがこの曲が収録曲の
中では一番売れる、と考えていたということ
である。
 今ではちょっと信じられないことかもしれ
ないが、当時としてはこの曲が「スリラー」
の最重要セールスポイントだったのだ。
 この時点でアルバム「スリラー」が現在の
ようなビッグセールスを記録するとは誰も考
えていなかったと思う。
 当時のムードは実際そうだった。

 歌詞の内容は、マイケル氏とポール氏が一
人の女の子をめぐって争う、というものだっ
た。
 私はこの曲を聴いて「歌の世界とはいえ、
そんなことあるわけ無い」と思ってしまった。
 そして、曲の終わりにあるセリフの部分が
何とも甘ったるくて、聴いていられなかった。
 これでは、スピードワゴンでなくとも
「甘ぁ~い!」と言いたくなってしまう。
 私としては苦手な1曲である。