不二家憩希のブログ

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白人を少しだけ糾弾したマイケル・ジャクソン。

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 音楽評論家の湯川れい子氏がマイケル・ジ
ャクソンにインタビューをした時のことであ
る。
 大のエルビスファンの湯川氏が「あなたは
ジャクソンズで『ハート・ブレイク・ホテル』
と言う曲を作っているけれど、エルビス・フ
ァンにとって神聖な同名曲のタイトルを使う
って言うのはどういうこと?」と尋ねたこと
があるそうだ。
 するとマイケル氏は「神聖なんてことはな
い。彼は黒人から音楽を盗んだんだ」と語っ
たそうである。
 そう語るマイケル氏の目はとても厳しいも
のだったそうだ。
 なるほど、マイケル氏もそう思っていたの
か。

 エルビス氏はロックの王様として知られて
いるが、元々エルビス氏の音楽は、当時の黒
人の流行音楽であるR&Bを白人風にアレン
ジしたものである。
 そのエルビス氏の音楽のヒットに伴い数々
の追従者が出現し、ロックンロールが生まれ
たと言ってもよかろう。
 その後ビートルズの出現によりロックは文
字通り強固なものとなっていくのである。
 
 マイケル氏の言い分は、極めて正しい。
 その通りと言っても良い。
 だが、それを言っちゃぁお終いよ、とも言
いたくなる。
 黒人音楽特有の粘っこいリズムやアレンジ
を、あっさりと爽やかに仕立て直したのがロ
ックである。
 R&Bのままだったら、R&Bはそれほど
大きな流れにはなってていなかったと思う。

 マイケル氏の発言は彼の黒人としての意識
の強さを表している。
 そして、普通は思っていてもこんなことは
言わない。
 特に米国のマスメディアの前ではマイケル
氏は言わなかったと思う。
 心を許していたであろう湯川氏の前だった
ために、ついポロっと言ってしまったのでは
なかろうか。

 私はこの発現を読んで驚くと同時に彼に対
する認識をを新たにした。
 マイケル氏の黒人意識は私達が想像してい
るよりも、ずっと強烈だったに違いない。
 人の内面はなかなかうかがい知れないもの
である。