不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

「ブレードランナー」を観た。

 録画しておいたビデオで映画「ブレードラ
ンナー」を観た。
 私は、この映画を以前から観たいと思って
いたが、なかなかその機会が無かった。
 いつでも観られると思うとなかなか観られ
ないものである。
 原作となっているフィリップKディック著
「アンドロイドは電気羊の夢を見るのか」は
何年も前に読んでいるので、小説との違いに
ついても興味があったのだ。
 観ての感想は、「暗いなぁ」の一言に尽き
る。
 私はこういう内容的にも画面的にも暗い映
画は好きではない。
 熱狂的なファンによると、この作品には随
所に哲学的なメッセージが込められている、
とのことらしいが、暗過ぎて私はそんなこと
を考える気にもなれなかった。
 元々ディックの原作も明るいものではない
が、この映画はもっと暗い。
 SF小説において未来都市に環境破壊の末の
廃墟のイメージを持ち出したのはのディック
が最初である。
 SF小説の世界では、未来はテクノロジー
支配された無機質なものであっても希望に満
ちたものであった。
 それを否定し悲観的な世界を作り出したの
がディックである。
 ディックの世界観を反映したのかもしれな
いが、それ以上に暗い気がする。
 場面全体が暗過ぎて、何のシーンなのかも
よく分からない。
「電気をつけろ!」と言いたくなってしまう。
 作品全体が救いの無い絶望感で覆われてお
り、爽快感がまるで無い。
 
 この「ブレードランナー」は映画史上に残
る傑作らしいが、私の感覚には合わなかった。