不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

「和風総本家 東京下町24時間」を観た。

 テレビ東京の「和風総本家」という番組を
よく観ている。
 この番組はテレビ東京らしく、なるべく経
費をかけずに知恵を絞って面白い番組を作ろ
う、という姿勢が顕著な番組である。
 収録もスタジオではなく、どこかの料亭の
和室の広間を使っている。
 番組はクイズ形式で進められていくのだが、
5人の回答者が座る和机があるだけで、セット
らしいものは一切無い。
 電飾の類も一切無い。
 クイズの回答も口頭で答えるか、フリップ
と呼ばれる厚紙に油性ペンで書くだけである。
 番組はタイトル通り和風ということに特化
しており、現代において和のテイストを縁の
下で維持している職人さんやお店の人たちに
対する取材を中心に進められ、それに関係す
るクイズが出されていく。
 24日の放送は、「東京下町24時間」という
ことで、東京の下町で活躍している職人さん
達の一日を追っていた。
 東京湾で働く漁師さん親子と昔ながらの手
作り豆腐の店のお父さんは特に私の印象に強
く残った。
 漁師さんは東京湾であさりを獲っている。
 そのお父さんが実にいい感じなのである。
 田舎っぽくはないのだが、かといって都会
的でもない。
 日に焼けたその顔は素朴そのものであった。
 豆腐屋のお父さんは、今ではすっかり少な
くなった完全な手作り豆腐や揚げなどを作っ
ていて、夕方にはそれらを持って自転車で販
売に行くのである。
 ラッパを鳴らしながら走るとお得意さんが
待っている。
 お馴染みのお客さんによると、ここの豆腐
類は味が他とは全然が違うそうだ。
 その豆腐屋さんは朝5時から豆腐の製造を始
め、揚げなど商品全般を作り終わるのは正午
になるそうだ。
 現代ではもっと早く作る方法もいろいろあ
るようだが、その豆腐屋さんはそうはしない
と言う。
 逆に手間をかけて作ることで、昔ながらの
味が保たれている。
「私はそういう技術が無いもんだから。(自分
が)奉公した時に親方に教わった方法で作っ
ているだけです」と豆腐屋さんは語った。
 何てシンプルな姿勢だろう。
 そしてこの言葉には、豆腐屋さんの師匠で
ある親方に対する感謝の気持ちも感じられて
とても感動した。
 やっぱり、日本の職人さんは最高だ。

 この番組の職人さんの対する見方はとても
好感が持てる。
 これがNHKだと、「取材してやってるんだ」
と言わんばかりの恩着せがましい感じがする
のだが、この番組ではそういう感じはまるで
しない。
 私はもっといろいろ紹介して欲しいと思っ
ている。