不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

釣られて電車に飛び乗る。

 朝、電車に乗るために駅に向かう。
 予定の時刻よりも少し早めに家を出ている。
 駅に着いた。
 私がこの日利用する区間はお得な往復切符
が発売されている。
 それで、窓口で切符を買うことになる。
 私が窓口で支払いをしていると、ひとりの
男子高校生が駆け込んできた。
 次の電車がやって来る音が聞こえる。
 その高校生は、定期券を駅員にかざして改
札を走り抜けた。
 私は、切符を受け取ると改札を出た。
 本当は、予定の列車はこの次なので、もっ
とゆっくりしていても良いのだが、何故かそ
の高校生に釣られてしまったのだ。
 電車は駅に近づいてくる。
 高校生は線路をまたぐ橋を駆け上がる。
 私も駆け上がる。
 こんな短距離ダッシュは久しぶりなので、
うまく足が動かない。
 電車がホームにゆっくりと入ってきた。
 私は高校生の後を追って階段も駆け下りる。
 電車は停車し、車掌さんがこちらを見てい
る。
 高校生が電車に飛び乗った。
 電車はそう何秒も止まってはいられない。
 通常のタイミングからすると、電車はもう
出発してもおかしくない。
 だが、電車は出ない。
 車掌さんが私を待っているのだ!
 え~、そんなつもりは無かったのに。
 私は高校生に釣られて走り出しただけなん
です。
 そう言いたいところだが、傍目からは私も
急いでいるように見えたことだろう。
 私は全速力で階段を駆け下りた。
 そして、車掌さんに「すみません」と声を
かけ列車に飛び乗った。
 車掌さんは頷いて発車の合図を出した。
 列車はゆっくり走り出した。
 
 あ~、こんなところで他の人に影響されて
行動してしまうとは、呆れてしまう。
 私もまだまだである。