不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

催事場の命名権。

 市の中心部にある大型商業施設のひとつは
第三セクター方式で運営されている。
 メインテナントして有名小売業の会社が入
っており客足も程々にある。
 その商業施設のビルの上層階のフロアーに
催事場があり、そこは市が直接経営している。
 その催事場は、おおむね週単位で民間業者
がそのスペースを借りて物品販売などの催事
を行っている。
 市では自主財源の確保のために来年度から
その催事場の命名権を販売することにした。
 今流行の命名権ビジネスである。
 契約料は年間12万円で最低3年以上の契約と
なる。
 命名の条件として、市の名前である○○を
入れることである。
 つまり○○△△ホール、または○○△△催
事場となる。
 12万円かぁ。
 微妙な金額である。高くもなく、安くもな
い。
 命名権を購入するメリットは、広告などの
告知でその名前が使用される際の広告効果で
あろう。
 だが、広告を出す人はその新たに命名され
た名前を必ず使わなければならない、という
縛りは無さそうだ。
 つまり、その催事場の使用者がその名前が
気に入らないとなれば名前を使って告知して
くれない、ということになりかねない。
 この商業施設自体が市民には有名なので、
あえてその新たに命名された名前を使わなく
とも、告知ではその施設の催事場と記すだけ
で場所は認知されるのである。
 それでは、命名権を買っても意味が無い。

 市としては、事務上の処理や新たな出費も
殆ど無いので、命名権ビジネスはうまい手だ、
と考えているだろう。
 だが、そう思惑通りに行くだろうか。
 都会の有名ホールや球場ならともかく、市
の中心部とは言え、ワンフロアーの一角にあ
る催事場である。
 誰が一体命名権を買うのだろうか。
 いつもながら、市の役人の考えることは安
直である。