不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

昆虫に病気治療を助けてもらう話。

 テレビで、昆虫を使った治療法をいうものを
放送していた。
 医療用に無菌繁殖させたハエの幼虫、つまり
ウジを人の肉体の壊死した部位に置く。
 すると、そのウジは患部の腐敗した部分を食
べる。
 そのウジはそれだけではなく、腐敗した部分
を再生する作用がある物質を放出し、患部を再
生させるのである。
 このウジの出す物質により縫合や移植をする
こと無く患部がふさがってしまうのだ。
 これは、糖尿病などで壊死が起った部位に施
される治療法でマゴットセラピーと言うそうだ。
 番組ではこの治療により足の切断を免れた人
が紹介されていた。
 他にも最先端の昆虫を利用した治療法の研究
が取り上げられていた。

 筑波大学大学院教授は、雑菌が多い腐葉土
成長するカブトムシの幼虫が、それら雑菌を殺
す抗菌性のタンパク質を先天的に持っており、
それによって雑菌から身を守っていることを発
見した。
 その抗菌性のあるタンパク質を医療に利用し
ようと言うのである。
 このカブトムシのタンパク質は発見者の教授
によってカブトムシ・ディフェンシンと名付け
られている。
 このカブトムシのタンパク質は、骨髄腫の治
療に対して効果が認められるそうだ。
 しかも、ガン細胞以外の正常な組織には影響
が無く副作用が起らないと見られている。
 これは副作用が避けられない抗生物質などを
用いた治療法とは大きく異なっている。
 また、このカブトムシのタンパク質は、院内
感染の原因であるMRSAにも効果がある。
 このカブトムシのタンパク質を使った治療法
が実用化されるまでには、あと10年~15年ほど
かかかるそうである。
 医療なので、クリアしなければならない課題
が多いのだと思うが、それでも大筋は見えてい
るようである。

 カブトムシは樹液しか吸っていないのに、あ
のような頑丈な体をしている。
 空も飛べるし力も強い。
 これは生き物として驚異的なことである。
 カブトムシには、人間が未だ知らない、もっ
と凄い力があるに違いない。

 カブトムシに限らず、昆虫には計り知れない
可能性があると思う。
 馴染みのある昆虫による未知の治療法の確立
は、今後も増えていくことだろう。
 そして、こうした発見こそ人類の英知である
と思う。
 人間は別の種族である昆虫に助けてもらって
生きていく時代が近づいているのだと思う。