不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

水野晴郎さん、ご逝去。

 映画評論家の水野晴郎さんがお亡くなりに
なった。
 私は、水野さんのファンで、水野さんが出
演される番組は大体観ていた。
 と言っても私は映画ファンではない。映画
自体にはあまり興味がない。
 水野さんのあの語り口と表情が観たかった
のである。

 水野さんは、テレビなどで、いつもとても
丁寧な物腰で話す方だった。
 テレビに出る人のなかには、上手に丁寧語
を話す人も少しはいるが、どの人ともテレビ
用、メディア用に訓練されたものでしかない、
と言うことがすぐにわかるようなものである。
 丁寧語の使い方に深みが無いのだ。実践的
ではないのだ。
 その点、水野さんの丁寧な話し振りは、さ
すが実社会で鍛え上げられてきただけのもの
があった。
 実のある丁寧語と言っても良いと思う。

 そして、いつも温和な態度も好ましかった。
 本当はそんな人ではないだろう?と疑った
タレントなどが雑誌などの取材で水野さんを
訪ねたことが何度もある。俳優・タレントと
いった人達のなかには裏表がある人が少なく
ないからである。
 だが水野さんは普段でもあの通りのお人柄
だったようである。

 水野さんは、洋画の邦題にも数々の名作を
残しておられる。
 邦題好きの私にとっては、この点でも水野
さんは重要な人なのである。
夕陽のガンマン」「夜の大走査線」などは
その原題からみると本当に傑作だと思う。
 短い言葉で、その映画の本質を見事に捉え
て表現している。
   
 またひとりの才人が、この世を去って行っ
てしまった。