郵便受けを確認する。
ハガキだ。
選挙のハガキだ。
K党である。
党首の顔写真が大きく印刷されている。
比例区にはK党を、ということらしい。
推薦人の名前を見る。
叔父だ。
この叔父の一家はS会である。
あぁあ、である。
この一家は悪人ではない。
世間的には善人の部類には入るだろう。
だが宗教的にはセンスが無い。
S会を心から信じている。
その宗教を微塵も疑っていない。
当人たちは、心底幸せのようだ。
実におめでたい人たちだ。
本人が幸せなら、口を挟むことないか。
私がこの叔父の一家のことを思い出すのは、こうした選
挙アピールの時だけである。
それ以外の時は、私の世界には居場所がない。