子供を見つけると追いかけて、頭を噛む。
大きく素早い動きである。
それでも足がバラバラにならない。
息があっている。
さすが地元の人たちのチームワークである。
私は眺めている。
お祭りの法被を来た青年が近づいてきた。
右手に緑色の五合瓶を持っている。
「どうぞ」
お祭りの青年は、私に透明の小さなコップを差し出し
た。
物腰がよそ者に対するような丁寧さがある。
コップは容量100ccほどであろう。
そこに、酒をいっぱいに注いでくれた。
「ここに、つまみがあります」
青年は自分の腹掛を指差して言った。
そこには、チリメンジャコ満杯に入っている。
私はジャコを少し掴んだ。
おぉ、これは振る舞い酒か!
~続く~