その向かって左前に祭り装束の人たちが、ざっくり
と並んでいる。
裃の人や紋付羽織袴の人、黄緑色の衣装や朱色
の衣装もある。
当町内の祭り衣装とは、色合いやデザインが微妙
に違うなぁ。
これも地域色による違いということなのだろうか。
子供の巫女さんが5人ほどいる。
扮しているのは小学生であろう。
三年生か四年生くらいだろうか。
白粉を塗り濃い目の化粧である。
ここは、女の子が参加しているのか。
当町内では、基本的に女性はお祭り行事からは排
除されている。
排除と言うときついニュアンスがあるが、実際そう
なのだ。
山車の背後で三味線を弾く女性が一人だけ参加す
るが、この人は例外なのだろう。
お祭りの表舞台には出てこずに演奏の調べだけが
流れる。
他には女性は一人もいない。
女の子の巫女さんもいない。
女性差別と言われるかもしれないが、それが伝統
なのだ。
そこに異を唱えて「出たい」と申し出る人は、一人も
いない。
町内のいわゆる無言の圧力で抑えているわけでは
ない。
そういう空気の土地なのだ。
~続く~