た。
女性が古代叙事詩の一部を読み上げている。
本で読むのが本筋であろうが、耳で聞くのも悪くなかろ
う。
何より聞くだけなので楽である。
他の作業も同時進行できる。
この朗読は以前ライブ配信された音声をそのまま残して
いるものである。
そのためか、この朗読はところどころ読み間違いがある。
だが、間違えてもすぐに言い直すので意味は通じる。
あるいは読み慣れていないようなちょっと難しい漢字の箇
所に来ると、1~2秒だが朗読が止まってしまう。
(え~と、この漢字は?)と思案しているのであろう。
女性は朗読の終わり近くになり、こう読んだ。
「その”おおししぼえ”は」
おおししぼえ?
なんだそりゃ?
女性の声は間違いに気づいていないようだ。
確信を持って言い切っている。
あぁ、大獅子吼(だいししく)だな。
これは面白い。
おおししぼえか。
まぁ、意味はその通りだなぁ。
私もこの女性と同じようなミスを日頃犯しているかもしれない。
否、犯しているだろう。
気をつけたい。