「スタンフォードの監獄実験」として広く知られる心理実験
がある。
これはある条件下に数人の普通の人を配置し、特殊な役
割や肩書を与える。
その環境で2週間生活させる。
大学の地下室に監獄を作り、刑務所所長役、看守役、そ
して囚人役を配置した。
囚人役の人には囚人服を着せた。
真に迫った状況設定に耐えられなくなった人が続出し、当
初の2週間の予定だった実験が6日で打ち切りとなった。
この実験で人はその役割に沿った行動をしてしまう、という
結果が発表された。
実験に参加した人の中には発狂してしまった人もいた、と
報告された。
この実験は、これまで多くの心理学の本に引用されてきた。
その結果は科学的事実として認知されてきた。
だが、これは偽りだった。
実験の主催者のジンバルドー教授が「こういうふうに動いて
くれ」「こう反応してくれ」と暗に依頼していたことが明らかにな
った。
また発狂したとされた人は、早く実験から逃れたいがために、
嘘をついてそう振る舞っただけだと言うことも判明した。
この実験は長い間「役割が人を作る」という主張の裏付けと
なってきた。
しかし、実験は出鱈目だった。
「怒るで、しかし!」(←横山やすし風で)