この回はグレン・グールドが大きく取り上げられていた。
グレン・グールドは、カナダのピアニストである。
生前から大変な人気を持ち今も多くのファンが居るらし
い。
その演奏は、それまでの常識を打ち破る破天荒なもの
であった。
クラシックのピアノ演奏の世界に新たな価値観を刻み
込んだ。
番組では代表的な録音が何曲もかかっていた。
なるほどなぁ~。
私はグールドは、あまり好きではない。
といって嫌いというわけでもない。
盤は何枚か持っている。
グールドについて書かれた本は、日本語に翻訳された
ものは、ここ数年を除けばほとんど読んでいる。
もちろんグールドの伝記も読んだ。
だが、あまり好きになれなかった。
グールドの演奏には、心がこもっていないように感じる
のだ。
心がこもっていないと言っても、テキトーに弾き飛ばした
といった意味ではない。
文字通りの意味で、演奏から心が感じられないのだ。
演奏に感情が載っていない。
ロボットが弾いているような音に聞こえるのだ。
空虚で寒々しい音に聞こえる。
「そりゃ、違うよ」
「あなたの聴き方、感じ方がおかしい」
そういった声もあるかもしれない。
しかし、私にはそうとしか思えない。