不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

特定健診に行った。⑫

 人にトイレの入る順番まで指図されるとは思っていなか
た。
 それもこの市民館のトイレ事情で仕方がない。
 少し待った後、私は職員に指示されトイレに入る。
 もうひとりの男性と一緒だ。
 その男性は、市民館前の道路で立って待っている時に
延々とおしゃべりををしていた長身の男性だった。
 私は早速尿採取を開始した。
 するとその男性が私に話しかけてきた。
 えぇ~、こんな場所でもおしゃべりしたいのか?
 私は相手をしたくないので「あぁ~」とか「へぇ~」と気の
ない返事をする。
 男性は私が話をしたくないとないと察したのか、それ以
上話しかけてはこなかった。
 ひょっとすると道路で一緒におしゃべりをしていたもうひ
とりの男性とは特に友人というわけではなく、たまたまこ
の場で出会い、話しかけられたので、そのおしゃべりに付
き合っていただけではないだろうか?
 無駄なおしゃべりはエネルギーの浪費でしかない。
 そして、そのエネルギーは永遠に還っては来ないのだ。
 私は相手の気を悪くさせない程度に冷たく対応をするす
べを身に付けている。
 この能力が20代の頃にあったらなぁ、と思う。
 その頃は自分の気持をダイレクトに態度に表していた。
 それで良いと思っていた。
 正直で何が悪いと思っていた。
 だが、そうした態度がよろしくないということに気づいた
のは、その後である。
 痛い目にあっていろいろ学んだのだ。
 規定の分量を採取し私は一足先にトイレを出た。
 
 ~続く~