不二家憩希のブログ

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幟立てに行った。その④

 私が到着した時点で、提灯は下げられていた。
 社には紫色の幕も取り付けられている。
 この幕も儀式が行われるという空気を感じさせる
 大人数の人手が要らない簡単な準備はすでに始まって
いたようだ。
 この日集まっているのは、町内会の役員と当班の人た
ちである。
 だが、当班の人は私を含め3人しかいない。
 えぇ~、どういうことだぁ~?
 ズル休みかぁ~?
 班長の私には直接の責任は無いものの、ちょっと恥ずか
しい気にはなる。
 町内会長さんが挨拶が始まる。
 「定刻になりましたので幟立てを始めたいと思います」
 作業開始となったが、本来参加するはずの人が少な過
ぎる。
 人員が足りないことはないが多いほうが作業は楽で安全
である。
 役員の一人が「よし!呼び出してやる」と電話をかけ始め
た。
 その口調はあくまで軽く、冗談交じりな感じである。
 掛ける相手は世帯主が若いお宅2軒である。
 軽い感じであっても呼び出しは呼び出しである。
 この2軒の方たちは、こうした幟立ての行事がどういうもの
か、よく理解していないのかもしれない。
 電話を入れると数分後に、それぞれのお宅の旦那さんが
やって来た。
 役員が、それら二人を問い質す。
 これも柔らかい物腰での確認である。
 この遅刻参加の二人は、他の行事には熱心に取り組んで
いる。
 それは皆が知っている。
 それで特に強く言う必要もないのであろう。

 ~続く~