言われてきた。
そう面と向かって口に出して指摘した人は少数で、実
は大半の人が(あいつは青い)と思っていたかもしれな
い。
私のどこが青かったのか?
自覚は少なからずあった。
私は、自分が心から思っていることのみを態度に反映
させてきた。
常に心中と態度を一致させてきたのだ。
いつでも本音だったのだ。
逆に言えば、思ってもないことを態度に表すことはしな
かった。
しないと言うより、できなかったのだ。
そうした能力がなかったのだ。
常に本音ということは、良いこともあるかもしれないが、
弊害も多い。
かなりの損をしてきたのかもしれない。
やがて(これではダメだ)と思うようになった。
社交上の「嘘の態度」を取ることも必要なのだと思うよ
うになった。
それからは、本音とは違う社交場の円滑さを損なわな
い態度がとれるようになった。
こちらの方が楽である。
余計なエネルギーを消費しなくとも良い。
あぁ、こんなことに気がつくまで何十年もかかってしま
った。
まぁ、それも人生である。