遠くからゴロゴロと聞こえてくる。
音だけだと、お祭りの号砲のようにも聞こえる。
音量がちょうどそのくらいなのだ。
だが、これは雷の音である。
これくらいの音だと、そんなに近くはないな。
雨が降ってくる。
これで蒸し暑さが治まるか。
雷音は続く。
現代人の私は、これが雷で空気中の電気が~といった
仕組みはわかっている。
だが、昔の人はさぞ怖かったであろう。
何しろ突然天空から大音量がするのだ。
加えて稲光である。
大音と稲光が時間差で来る。
(一体何事?)(これは何?)と不安になったことだろう。
怖くて仕方なかったかもしれない。
今は科学的解明が私たちにも知れ渡り、恐怖心も多い
に薄らいだ。
私は、雷の音を聞く度に大昔の人たちの気持ちを思い
浮かべる。