不二家憩希のブログ

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班での告別式参列。その⑮

 私たち班からの参列者の任務は終わった。
 思えば通夜・告別式においてある意味最も大事な香典
の拝領と管理を任されているのだから、班のお付き合い
は中身の濃いものと言える。
 皆が集まる。
 班長さんが、簡単な挨拶とねぎらいの言葉を添えた。
 他人行儀な感じもするが、これもけじめである。
 会場を出て駐車場に向かう。
 Iさんが「昨日のお通夜は(参列者の人数が)凄かったけ
ど、今日はあれ??っていう感じだったよね」「町内の人は
ほとんど来なかったし」と言った。
 これは口にはしないが、皆が感じたことだろう。
 「昨日は会社の関係でギューギュー満員だったけど、今
日はねぇ・・・」
 通夜と告別式の参列者数の差がこれほどあることは、ま
たとないだろう。
 通夜は現職の政治家並み、告別式は一ケタである。
 一ケタもかなり少ない一ケタである。
 大変な社交家とみられていた奥さんが実はそうではない
ことも判明した。
 なんだか家の秘密を見てしまった気にもなった。
 だが、今までの間違った認識を改めることができたとも
いえる。
 今まで奥さんを恐れていた自分たちが愚かに思えてくる。
 私は自転車に乗って家に帰った。
 ちなみに私は故人のTSさんとは、一回も話をしたことは
無かった。
 顔も合わせないので挨拶すらしたこともなかった。
 そんな間柄だった。